サンプリング

地盤調査におけるサンプリングは、基礎地盤の設計や施工に必要な地盤情報を得るために地質観察や室内試験の試料を得ることを目的とします。調査目的に応じて「乱した試料」と「乱れの少ない試料」に大別されます。

シンウォールサンプラー

正式名称は「固定ピストン式シンウォールサンプラー」であり、軟らかい粘性土や砂質土の乱れの少ない土試料を採取するものである。対象土のN値の目安はN<4である。サンプラーをボーリング孔内に挿入するための必要孔径はφ86㎜である。

ロータリー式二重管サンプラー

ロータリー式二重管サンプラーは、アメリカで開発されたデニソンサンプラーを改良したもので、二重管構造をした回転式サンプラーである。硬さが中位から硬い範囲の粘性土の乱れの少ない試料を採取する。対象土のN値の目安は4≦N<15である。採取作業に必要な孔径はφ116㎜である。

ロータリー式三重管サンプラー

ロータリー式三重管サンプラーは、硬さが中位以上の粘性土または締りの程度が中位以上の砂質土の乱れの少ない試料を採取するものである。対象土は粘性土でN値4以上、砂質土でN値10以上が目安である。採取作業に必要な孔径はφ116㎜である。

ブロックサンプリング

ブロックサンプリングは、ボーリングを行わないで塊状の乱れの少ない試料を採取する方法である。切り出し式と押し切り式の2種類が一般的である。深い部分での採取は難しいが、実際に試料を観察し丁寧に品質の良い試料の採取が可能となる。

高品質サンプリング

一般的に用いられるサンプラーでは、サンプリングが困難であったり特殊な条件での作業が要求されるケースにおいて採取試料の品質低下を招く懸念がある。ケースバイケースではあるが、様々な高品質サンプラーを適用した対処法がある。