地下水調査
地下水調査は、地盤内に分布する地下水の状態を調べることと、地下水が分布する地盤を総合的に調べる調査です。地下水の存在状態を表す「水位・水頭・間隙水圧」、地下水の流動状態を支配する「地盤の透水特性」が主な調査対象となります。
水位・間隙水圧測定
水位測定は、地下水が持つ水頭として、ボーリング孔内の平衡水位(人為的に変化させた水位の変動がほぼ停止した時の水位)を測定する。間隙水圧測定は、ボーリング孔内に設置した電気式間隙水圧計設置後の間隙水圧変動が、ほぼ停止した時の間隙水圧を計測する。
透水試験
透水試験は、地下水面より下方の飽和した地盤を対象に、ボーリング孔または単一の井戸を用いて地盤の透水係数を求めるものである。孔内水位を変化させて非定常過程を測定する非定常法(変水位法)と、孔内水位を一定に保ち、そのときの流量を測定する定常法(定水位法)がある。
揚水試験
揚水試験は、帯水層の透水量係数(または透水係数)及び貯留係数を求めるものである。試験方法は、揚水井と複数の観測井を用いる多孔式現場透水試験であり、揚水時の揚水井と観測井の水位低下量及び揚水停止後の水位回復量を継時的に測定する。
岩盤の透水試験
単一のボーリング孔を利用して岩盤の透水係数を求めるものである。試験方法は、岩盤を掘削したボーリング孔内を、パッカーにより試験区間に区切り、有効注水圧力を段階的に上昇させながら注水し、定常時の注水流量から透水係数を求める定常法によるものである。
ルジオン試験
ルジオン試験は、岩盤の透水性の指標であるルジオン値を求めるものである。試験方法は、ボーリング孔内をパッカーで区切った試験区間内に一定圧力で注水し、圧力と注水流量の関係からルジオン値を求めるものである。
地下水の流向・流速測定
単一のボーリング孔を利用して水平方向の地下水の流れの流速と流向を求めるものである。測定方法には、特定の浮遊粒子に着目しその軌跡を追う「粒子追跡型」と、溶液の移動を追跡する「溶液追跡型」に大別される。