変形・強度試験

変形・強度試験は、試験の結果から得られる強度特性や変形係数を用いて地盤、斜面、土構造物の安定性を予測したり、変形解析に利用します。得られる定数としては、様々な条件でのせん断強さ、地盤の液状化強度、繰り返し載荷荷重に対する地盤の応答解析に必要な地盤の小ひずみレベルでの変形特性があります。

一軸圧縮試験(軟弱~硬質土)

本試験は、拘束圧を受けない状態で自立する供試体の一軸圧縮強さ(拘束圧を受けない供試体の最大圧縮応力)を求める試験である。試験の結果からは、短期安定問題に対しての原地盤の非排水せん断強さや、変形解析を行う際の地盤の弾性係数を推定することができる。

三軸圧縮試験

本試験は、原位置での応力、ひずみ状態を近似した条件下で、地盤の強度・変形特性を求めるものである。試験方法には、圧密条件と排水条件で3種類の組み合わせがあり、更に軸圧縮中の間隙水圧の測定の有無を加えて、4種類の試験(非圧密非排水:UU、圧密非排水:CU、圧密非排水(間隙水圧測定):Cubar、圧密排水:CD)がある。

一面せん断試験

本試験は、上下に分かれたせん断箱に土供試体を納め、垂直応力を載荷した状態でせん断箱の一方を他方に対して直線的に水平移動させて、せん断強さ、せん断応力とせん断変位の関係を求める試験である。試験方法は、圧密定体積一面せん断試験(三軸試験のCubar条件に対応)と圧密定圧一面せん断試験(三軸試験のCD条件に対応)がある。

繰返し非排水三軸試験

本試験は、地震、波浪などによる繰返し応力を非排水条件下で受ける飽和土の液状化強度特性を求める試験である。結果の利用としては、地震時の液状化の予測に多く用いられている。

ねじりせん断試験

本試験は、中空円筒供試体の上または下端にトルクを加えて円周方向にねじることによって、排水状態または非排水状態のねじりせん断強さ、および水平面上のせん断応力とせん断ひずみの関係を求める試験である。試験方法は圧密非排水ねじりせん断(Cubar条件)と圧密排水ねじりせん断(CD条件)がある。

変形特性を求めるための繰返し試験

本試験は、比較的小さいひずみレベルでの繰返し載荷のもとでの地盤の変形特性を求める試験である。結果の利用としては、地盤・構造物系の地震荷重・交通荷重・機械荷重などに対する数値解析の変形パラメータとして用いられている。また、中空円筒供試体による繰返しねじりせん断試験もあり、排水または非排水条件下の繰返し載荷中の変形特性が得られる。

岩石の強度試験

岩石の力学特性を求める試験としては、「岩石の一軸圧縮試験」「岩の三軸圧縮試験」「圧裂による岩石に引張り強さ試験」[岩盤不連続面の一面せん断試験」などがある。