軟弱地盤解析

軟弱地盤上での建設工事では、基礎地盤のすべり安定、沈下、液状化など複合的な視点をもって、それぞれの安定条件が確保される設計が必要です。安定条件、残留沈下、液状化による強度低下などを考慮した原地盤の設計計算で、安定条件が満たされない場合は、地盤改良工法などの対策工の検討も実施します。

すべり安定の安全率

軟弱地盤は強度が低く、現地盤のままではすべり破壊が発生するケースが多い。ただし、沈下による強度増加を考慮すれば、安定が確保されることもあり、沈下挙動との並行した検討が必要となる。このため、安全率に関しては、「施工直後の状態」「ある程度の放置後の状態」「地震荷重を受けた状態」「基礎地盤が液状化した状態」などで要求される許容値が異なってくる。

圧密沈下計算による沈下量・沈下時間

軟弱地盤が長期沈下する場合、構造物が供用された後も、有害な沈下が残ってしまう場合がある。この沈下量は一般的に残留沈下と呼ばれ、施工のスケジュールをもとに予測計算を行い、所定の許容値をクリアするかどうか確認する。

地震時の検討(水平震度、液状化を考慮)

地震時の検討は、地震荷重として水平震度を載荷すること、または地震時に基礎地盤が液状化することで強度低下したケースについて実施する。地震時の検討を行うか否かや水平震度の設定、液状化による強度低下の設定手法は、各種構造物の設計基準によって様々である。

対策工の比較検討

安定条件、沈下挙動に関して、所定の条件を満足しない場合は、地盤の強度増加や圧密沈下の促進など、様々な対策工の適用の可能性について比較検討を行う。比較検討では、施工性・コスト・対策効果などの条件をもとに、最適案として3~5程度の工法が選定される。

対策工の提案

対策工の比較検討で3~5程度の工法が選ばれた後、最適工法を絞るために、より詳細な設計計算などを行う。そして、対策工の提案ならびに、必要に応じて施工検討、概略の対策工の配置検討、コスト算出などを実施する。