物理試験

物理試験は、地盤材料の、材質、粒度組成、コンシステンシー限界、含水比、水分特性、密度特性などを求める試験です。試験の実施方法は、JIS(日本工業規格)やJGS(地盤工学会基準)に定められた方法で実施されます。

土粒子の密度試験

土粒子の密度は、土の固体部分の単位体積当たりの質量のことであり、試験方法はJIS A 1202「土粒子の密度試験方法」に規定されている。

含水比試験

含水比は、(110±5)℃の炉乾燥によって失われる土中水の質量の、土の炉乾燥質量に対する比であり、質量百分率で表記する。試験方法はJIS A 1203「土の含水比試験方法」に規定されている。

粒度試験

粒度試験は、高有機質土以外の土で、かつ、目開き75㎜の金属製網ふるいを通過した土の粒度(土粒子径の分布状態を質量百分率で表したもので、結果は粒径加積曲線にて表記される)を求める試験である。試験方法はJIS A 1204「土の粒度試験方法」に規定されている。

液性限界・塑性限界試験

液性限界・塑性限界試験は、目開き425μmのふるいを通過した土の液性限界・塑性限界・塑性指数を求める試験である。土は含水量の違いにより、液状・塑性状・半固体状・固体状の4つ状態に変化する。本試験の結果は、この状態の変移点を示す含水比を表す。

湿潤密度試験

湿潤密度試験は、自立する塊状の土の湿潤密度を求める試験である。湿潤密度とは、土の単位体積当たりの質量の一つで、土粒子の質量と間隙に含まれている水の質量を対象としたものであり、地盤の支持力、圧密沈下、土圧、安定解析などの構造物設計に幅広く利用される。

最小密度・最大密度試験

本試験は、目開き2mmのふるいを通過し、目開き75μmのふるいに95%残留する砂の最小密度と最大密度を求める試験である。得らえた結果をもとに、対象土の相対密度(最も密な状態と最も緩い状態の間のどの状態にあるかを示す指標)を求めることに用いられる。

岩石の吸水膨張試験

本試験は、岩の吸水膨張(含水比の増加により岩石が膨張する現象)に関わる特性を把握することを目的とする。この特性は、岩石の種類、構成鉱物、間隙率、含水比、間隙水の性質、飽和度、拘束圧などの要因によって複雑に変化するものである。

岩石のスレーキング試験

本試験は、岩石のスレーキング(乾燥、水浸によって供試体に生じる細粒化などの形状の変化)指数を求めることを目的とする。試験結果は、ダム・斜面・トンネルなどの岩盤構造物や盛土の調査・設計・施工などを行う際の事前評価や維持・管理に広く利用されている。